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静岡県伊豆の国市にある(株)蔵屋鳴沢が造る反射炉ビヤです。
(株)蔵屋鳴沢は、ビールだけでなく「韮山反射炉茶の庵」ブランドで自園茶葉も製造販売しています。

本作は、お茶屋さんとビール屋さんを融合させた、抹茶を使ったヘイジーIPAとなっています。
これまでの経験から、ビールとお茶は意外に合うというのは知っています。
知ってはいますが、飲む前はいつもドキドキです。
ゲテモノビールだったらどうしよう、そんな不安が脳裏をかすめます。

本作では、自園茶葉の「おくひかり」使用の抹茶と、抹茶として細かく加工される前の碾茶をブレンドして使用しているそうです。
ビール仕込み行程で高温度帯の「ワールプール」時と低温度帯の発酵終期の2回に分けて投入することで抹茶の風味をよりビールにとけ込ましたとのこと。
乳糖を加えたシェイクIPAに仕上げることで生まれる抹茶の香り、緑を思わせる柔らかな風味と心地よい渋みが特徴のようです。
ドキドキしていても始まりません、早速飲んでみましょう。

グラスに注ぐと、濃いめのゴールド。
ヘイジーIPAらしく濁っています。
とりあえず、見た目は抹茶の色でなく安心しました。
口に含むと、お茶はほとんど感じません。
かすかに感じる程度で、上品です。
ホップの苦みとお茶の渋み、いい感じです。
濃厚で、コクがあってうまいです。
飲む前の不安は杞憂でした。
これまでの経験通り、抹茶を副原料に使用したビールはうまいことが判明しました。

他のクラフトビールブルワリーでも日本茶の使用に大いに取り組んでほしいものです。
原材料は、麦芽(イギリス産)、ホップ、酵母、糖類、抹茶、碾茶(伊豆の国市産自社栽培)です。
使用ホップは、Hallertau Blanc、Amarillo、Citra、Mosaic 、Galaxyとなっています。
アルコール度数6%。330ml690円(税込み)。
数量極少の限定品です。

最後におまけで、反射炉ビヤの反射炉について少し。
反射炉とは、金属を溶かし大砲などを鋳造するための溶解炉です。
韮山反射炉は、江戸末期に実際に稼働した反射炉として国内で唯一現存するものとなっています。
平成27年7月には、韮山反射炉を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されました。

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(2020.2.25.)