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京都市の黄桜が造るクラフトビール,続きます。
早稲田大学と京都大学が共同開発したビール,第3弾です。

第1弾は,ホワイトナイルでした。
早稲田大学の教授であったエジプト考古学者,吉村作治氏が,紀元前3000年頃の古代エジプトでは,エンマー小麦を用いたビールが飲まれていたことを解明したのがことの始まりです。
古代エジプトビールを再現しようと試みますが,古代種であるエンマー小麦はどこにも栽培されておらず,再現には至りませんでした。
その後,京都大学でその貴重な種子が保存されている事がわかり,再びエンマー小麦を栽培し,京都大学と早稲田大学の共同開発に黄桜が協力することとなりました。
しかしながら,古代エジプトビールの製法をそのまま取り入れると,現代のビールとはかけ離れた味になってしまうことが判明します。
そこで,現在の嗜好に合う現代ビールとし完成させたのがホワイトナイルなのです。
したがって,ホワイトナイルは,古代エジプトビールを再現,復刻したものではありません。
古代エジプトビールの原材料を使用したビールということになります。

本作,ルビーナイルも古代エジプトビールを再現,復刻したものではありません。
古代より1920年ごろまでエジプトで栽培されていたにもかかわらず,種として認められることなく終わった,謎の小麦「ピラミダーレ」を栽培植物起原学研究室の保存庫からよみがえらせたビールです。
ピラミダーレは古代エジプトで生まれた小麦で,エンマー小麦と同様の栽培二粒系ですが,エンマー小麦より単位面積あたりの収量がはるかに大きく,古代エジプトの高度な農耕文化を証明するものとされています。

本作は,2008(平成20)年9月に発売されました。
赤銅色のハイアルコールビールで,まろやかな味と芳醇な香りが特徴とのことです。
古代エジプトの小麦,どんなものでしょうか,楽しみです。
それでは早速飲んでみましょう。

グラスに注ぐと,焦げ茶色に濁った液体です。
強いカラメル香が漂います。
口に含むと,う~ん,確かに芳醇な味わいですが,私には甘いです。
甘いカラメルは,どうも好きになれません。
まったりしていて,残暑厳しい今の季節には合わない感じです。
寒い冬に暖かい部屋でじっくりのむのが合っています。
飲む季節を間違えました。

原材料は,麦芽・ホップ・ピラミダーレ小麦です。
アルコール度数7%。330ml463円。
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(2019.9.16.)